恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
しゃがんだ翔平は、取り出し口に手を伸ばしながらポツリと言った。
「………」
核心をつかれてますます心拍数が跳ね上がる。
要らない心配かもしれないのに、全てを見透かされていたことに。
「俺は……怖いよ……」
答えられないあたしを待たずに、翔平は握りしめたポカリに視線を落としたまま自答した。
「えっ……」
声が掠れた。
「同じ屋根の下に住んでたって、他に家族がいれば制御がきく。昨日も一昨日も理人がいたから」
「………」
「でも、今夜は……」
「………」
「自分を抑える自信がない」
一度瞳を閉じてからゆっくりとあたしを見上げた。