恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
家に入ってからは、それぞれいつも通りの夜を過ごした。
お風呂に入って、付けたテレビから流れてきたスポーツニュースに耳を傾けて。
理人が夕方使ったカップを洗って……
……あとは、ベッドに入るだけ。
翔平は自分の部屋に居る様子だった。
音を立てないで階段を昇ろうとすればするぼど、年季の入った木造の階段はミシミシと嫌な音を立てた。
いつもは足音の方がうるさすぎて、階段の老朽化なんて知りもしなかった。
部屋は階段を上ってすぐが翔平、奥が理人、真ん中があたし。
小学校に上がった時に割り当てられた一人部屋に、あたしは迷わず真ん中を選んだ。