恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
莉子が突拍子もない提案をしたのは、それからほんの1時間足らず後のことだった。
「今日さあ、翔平と一緒にお昼食べてもいい?」
「えっ?翔平と?」
あたしはキョトンとして莉子を眺めた。
翔平を見ても頬一つ染めない莉子は、正真正銘の幼なじみ。
そこに恋愛感情などあるわけもない。
「うん、彩乃の行動目に余るんだよね。これは彼女として見せつけないとと思って。でしょ?」
あるとすれば、あたしへの気遣い。
ここで言う彼女というのはあくまでもあたしを指し、莉子は同意を求めた。