恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
「やっぱり噂だけじゃ、あの子全然真に受けてない感あるじゃない?そろそろ次のステップへ入る時期だと思って」
チラッと目を動かすと、相変わらず翔平にべったりの彩乃ちゃん。
気持ちを揺さぶるための実力行使なのか、胸を押し付けているようにも見える。
この強引さ、見習いたいくらい。
それでも他人事じゃないし、あたしは頷いた。
「ごめんね…」
翔平ファンの子ならともかく、莉子は今更翔平と2人でお昼ご飯なんて食べたくないだろうに。
「何謝ってんの。あたしはこんなの屁でもないし」
そう言って笑う莉子にあたしも笑い返した。