恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
胸騒ぎ
朝から今日は土砂降りだった。
梅雨本番に入った今日の雨は、放課後になっても落ち着く気配がない。
「すごい降って来たねー。傘なんて役に立たないだろうなー」
帰り支度を終えた莉子は窓の外を見ながらうんざり顔。
本当。
風で煽られる雨粒は、まるで吹き付けるように窓を強く叩いている。
帰るまでに全身シャワー決定かな……。
その時、莉子の目が何かを捉え、窓辺へと歩み寄った。
「またこんなの描いてー」