恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
見ていたことは秘密にしようとしていたのに。
翔平の態度があたしにそんな言葉を言わせていた。
「えっ……」
明らかに意表を突かれたと分かる翔平の声に、あたしの不安はますます加速した。
それは、隠し通そうとしてたことが手に取るようにわかる反応だったから。
翔平は、あたしを不安にさせたくないと莉子の提案に賛同したはずなのに。
それが原因で、あたしが不安な夜を過ごしてるって知ってる……?
「莉子、泣いてたよねっ…」
そんな思いがあたしを後押しして。
一度はのみ込もうとした言葉を振り向きざまにまたぶつけてしまった。