恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
それはもう勢いだった。
翔平も知っている噂を連想させる言葉を言うと、ついに翔平も顔つきを変えた。
「あんなくだらない噂を真に受けてんのか?」
その呆れたような言い方が余計に癇にさわった。
くだらない…?
あたしはその噂がずっと耳にこびりついて眠れない夜が続いてるっていうのに。
「くだらなくなんかないよ……大事なことだよ……」
我慢してきた想いをぶつける。
弁解でもいいの。
真実を言ってほしい。
いつかの言葉がほしい。
『俺が好きなのは美桜』
それだけで、強くなれるのに。
そうじゃないと、あたし……。