恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
「……もういいよ、おやすみっ……」
これ以上翔平と向き合ってたら、また自分が抑えられなくなりそうで。
あたしは階段を駆け上がった。
……だけど。
少しは期待してたの。
………でも。
最後は涙声だったあたしを、翔平は追いかけてきてくれさえしなかった。
莉子には手を差し伸べていたのに……。
ベッドに入り、翔平の部屋側の壁をジッと見つめる。
あたしと翔平を遮る部屋の壁が、埋められない心の壁のように思えた。
近いのに、ものすごく遠い。
…翔平は眠れる…?
あたしは……全然眠れないよ……。