恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
「なに!?一体どうしたの!?」
酔いたい、なんて。
よっぽど忘れたい出来事かなにかがあった…?
さすがに、あたしと翔平に腹を立てたとかそんな幼稚な理由だとは思えない。
ここの所おかしかった理人の行動を思い返し、手掛かりが落とされてなかったかと記憶を辿る。
それよりも早く。
ゴクリ。
最後の一口だったのか、飲み干すように上を向きながら喉を鳴らした後。
理人は一気に言った。
「――俺、一家心中の生き残りらしい……」