恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
理人は……
これを見つけて……
ずっとずっと一人で苦しんでいたんだ。
あたし、何も知らずに……。
「多分、俺、翔平と美桜の気持ちなんて全然わかってなかったんだと思う」
「………」
「それどころか、どっかで可哀想とか思ってたのかもな」
理人は何かを思い返すように目を細めた。
リビングに設えられた霊前には、物心ついたときから毎日お祈りをさせられていた。
まだ理人の両親だと知るずっと前、事故で他界したお母さんの妹さん夫婦だと教えられ、あたし達にとっても身近な存在だった。