恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
そして。
本当の生い立ちが告げられた日。
お父さんとお母さんが本当の両親でないことや、本当の三つ子ではないとショックを受ける中、最大のショックは親に捨てられたという事実。
それに引き替え、もう家族も同然のように感じていた写真の中の2人が、理人の本当の両親で羨ましいと思った。
お母さんと、少しでも血のつながりのある理人を羨ましいと思った。
……理人だって辛いのは変わらないのに。
そんなあたし達に、理人は遠慮していたのかもしれない。
『どっかで可哀想とか思ってたのかもな』
それが理人の本音なのは仕方のないこと。
口にはしなくても、あたし達にはあるから。
"生い立ちの格差"が。