恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
「理人……」
だからこそ突きつけられた事実は、理人の純な心を黒く塗りつぶしてしまったんだ。
「笑えるだろ……俺、毎日手を合わせてたやつに殺されかけてたんだぜ……」
瞬きを忘れた理人の目から、大粒の涙が零れ落ちた。
「理人っ……!」
瞬間、その体を抱きしめていた。
お願いだから、そんなこと言わないで。
例えこれが事実だとしても、もう何年も実の両親に抱いてきた"慕う"という気持ちを失ってしまうのは…
…悲しすぎるから……。