恋結び ~キミのいる世界に生まれて~

「………っ……」


理人が、泣いていた。


小刻みに揺れる肩。

漏れる嗚咽。


まるで理人のものとは思えない弱々しい体。


「………」


…酔ってすべてを忘れられたらどんなにいいんだろうね。


あたしだって出来るなら、捨てられたという事実忘れ去りたい。


消せないのなら、せめて忘れるだけでも……



理人の気持ちは……

痛いほどわかる……



理人の辛さを自分の生い立ちにリンクさせながら、あたしは無言でその柔らかい髪の毛を撫でた。




「…美桜……俺を慰めてよ……」

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