恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
*第六章*
傷の深さ
明け方の病院の廊下を、緊迫した様子で早歩きする。
走りたい衝動の中、それでも目にする現実が怖くて……。
――ガラッ。
開いた扉の向こう、目に飛び込んできたのは――
「ああっ…!!!」
倒れそうになったお母さんを翔平が支えた。
それは、口に酸素マスクを当てられ、顔と頭部を包帯でぐるぐる巻きにされた
――理人の姿。
鳴ったのは、警察からの電話だった。