恋結び ~キミのいる世界に生まれて~

「………これ」


新聞の切り抜きを差し出すと、それを目にしたお父さんの顔色をがみるみる変わっていく。


隠してたのは一目瞭然。


やがてそれを掴んだ手は、とても震えていた。


「これを……理人が……」


ガックリ項垂れうるようにつぶやいた後、壁に手と頭をつけた。


それを見て、鼻の奥がツンと痛くなった。



この事実はあまりにも辛すぎる。


今まで必死に隠してきたお父さんの気持ちもわからなくもない。



でも、

「……隠し通せない嘘ならつかないで」
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