恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
「そう……なの?」
「うん……だから、絶対に莉子のせいなんかじゃない」
莉子の手をきつく握りしめてキッパリ断言した。
強張っていた顔が、少しだけ緩む。
それぞれが、誰にも言えずに抱いた恋心。
結局、分かりあえていたはずの4人は、それぞれ内に想いを秘めていた。
この狭い世界で。
なんて……皮肉な運命なんだろう……
莉子も理人があたしを好きだと思ってる。
叶うことのない矢印を、体の繋がりだけでもいいから埋めたいという莉子の想いは、どれほどのものだったんだろう。