恋結び ~キミのいる世界に生まれて~

「……ねえ。莉子はいつから理人が好きだったの…?」


あたしが翔平を好きなのを気づかなかったように、莉子も隠した恋心。


あたしとは違い公に出来る想いだったのに、それをせず、誰にも気づかせずに。



ゆっくりと、昔を思い出すように莉子は話し出した。


「あたしね……理人にひっぱたかれたことがあるの」


「えっ!?理人に?」


初めて聞く話に目を丸くした。


「中1の時だったかな……。お父さんと喧嘩して、もうあんな家に居たくなくて理人に愚痴零してさ。

いっそ、理人や美桜達と兄弟だったらどれだけ良かったんだろうって思って……」


そのあと、下唇を噛みしめて黙り込んだ莉子の横顔に、言いにくいその先の言葉を察した。
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