恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
さんざんあたしを辱(ハズカ)しめの刑に処した後、2人は部屋を出て行った。
「はぁ……」
また色々と再認識しちゃって、自己嫌悪に陥いる。
あたしが翔平に特別な感情を抱き始めたのはいつからだろう。
異性として意識するようになった自分が嫌で、なんども錯覚だって自分に言い聞かせた。
それでも体は正直だった。
翔平に言い寄る女の子を見れば胸がざわついたし、以前彼女が出来たときには一人ベッドの中で涙を流した。
……こんな気持ちになんて、気づきたくなかった。
あたしの気持ちはきっと非道徳。
この気持ちがいつまで続くのか分からないけど、これがなくなるまでずっと胸に秘めておかなきゃいけないって分かってる。
他に好きな人が出来れば、過去のことだと笑い話として伝えられるのかな……。
それは一体、いつになるんだろう……。
そんな思いを抱きながら、あたしはクマのI LOVE YOUをそっと、撫でた。