恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
ドクドクドクドク……
そう思ったら心臓は大きく鼓動をうち、手足はガクガク震えだした。
翔平が言った通り、生みの親がいて、あたしがいる。
決して否定的な存在じゃない。
あたしの親がどういう人なのか、知る権利はある。
理人の意志には背くけど。
実親に想いを馳せるのは、お父さんやお母さんへの裏切りかもしれないけど。
ここにあるかもしれないと思ったら。
その欲求には逆らえなくて。
今はただ、目の前のこの扉を開きたくてたまらなかった。
だって、あたし自身のことだから―――