恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
「ほ~ら、みんなの想いが詰まってるんだから、早く目を覚ましてこれを見なさいよね」
瞳を閉じたままの理人に、莉子節が向けられた。
今、あたしと莉子は学校が終わったその足で理人の所へ来ている。
理人に会うのは、二日ぶり。
「…しょ…っと…」
理人の頭上に莉子が千羽鶴を飾る。
「…綺麗だね」
センスよくグラデーションが掛かっていて、10日で仕上げたとは思えない程完成度の高いものだった。
これに込められた祈りが届くといいな……
「……ねえ……あのことだけど」
理人を挟んだ向こう側、椅子に座った莉子が重そうに口をひらく。