恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
「えっ……」
「理人がどうして目覚めないのかって、まさかそんなの本気にしてるわけないでしょ?」
「その話は……もういいよ……」
…数日前からずっとこんなやり取りをしてるんだ。
あたしと翔平の決断を知った莉子は、それは違うと言った。
『やっとつかんだ手を、離していいの?』
『離した手を再び掴むのはきっと難しい』
『あとで泣いても知らないんだから』
そう言って、なんとかあたし達の別れを阻止しようとしてくれている。
「あたしには分かるよ。理人はそんなの望んでない」