恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
―――…
「ただいまー」
家についたころにはすっかり日は沈んでいた。
「おかえり。遅かったわね。理人の所?」
いつもより帰りが遅いあたしに、お母さんが心配そうな声で玄関まで出てきた。
「うん、莉子と一緒に」
「なんだか悪いわね。莉子ちゃん毎日行ってもらってるんだって?」
あたしでさえ毎日行けていないのに、莉子はこの10日間、学校が終わると毎日理人の元へ行ってくれてたんだ。
「………うん」
それでも。
莉子に悪いと思う方が失礼だと思った。
莉子は兄弟同然なんだし、頼んだわけでも行ってもらっているわけでもない。
悪いって思うなら、ありがとうって言ってほしい――