恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
…今までお母さん。
泣ける場所、あったのかな。
子供のように泣きじゃくるお母さんの髪を優しく撫でながら
この半年を漠然と振り返り、あたしは自分の行動を反省した。
裏切られた気持ちが強すぎて、冷たい態度を取っていたかもしれない。
ろくに話もしなかったかもしれない。
……聞いてあげなかったかもしれない。
こういうときこそ、家族が力を合わせなきゃいけないのに……
……家族…
あたしたちは、家族なんだから……。
ごめんなさい……
お母さん……
「どうしたっ!?」
そこへ、帰って来た翔平が鞄を放り投げて駆け寄ってくる。