恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
ズルズルズル……
「うわっ……」
ここのお蕎麦は絶品なのに、伸びきったお蕎麦はやっぱり美味しくなかった。
「美桜がメシを作れれば問題なかったんだろう」
翔平は不服そうに言って、伸びきったお蕎麦をすする。
「…っ、またそれを言う!」
「だから普段から練習しとけっつうの」
「きょ、今日は時間がなかったから…!」
勢い勇んでいったものの、やっぱりそれは言い訳に過ぎなくて……
「…、プッ……」
「ぷぷっ…」
吹き出した翔平につられてあたしも笑う。
久々に、あたし達は笑い合った。