恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
でもその瞳はすぐに疑問の色を帯びた。
「翔平……殴られた…割には…傷…一つねえのな……」
理人っ……
「バカ野郎…ッ!半年も経って…傷が残ってたらたまんねえっての……」
無理に笑おうとしながら暴言めいた言葉を吐いた翔平も、最後は涙声だった。
手で口元を覆い、嗚咽をこらえてる。
覆われているせいで半分しか見えないけれど、その顔はもうクシャクシャだ。
「半年も眠りやがって……っ……」
「…はん……とし……」
反対に首を振った理人があたしをとらえた。
「理人…お帰り……」
床に膝をつき、理人の顔に近づいた。