恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
「…俺……半年も…眠ってた…わけ…?」
驚きを隠せない理人。
一日なのか半年なのか、分からなくて当然だよね。
「…母さん、呼んで来るな…」
真っ赤な目をあたしに向けた翔平は、そう言って病室を足早に出て行った。
「なんだよ……俺…浦島太郎じゃねえか……」
フッと笑った理人は、半年も眠っていたとは思えない冗談を言った。
でも、それが理人らしくてたまらなく嬉しい。
「そうだよ。季節なんてとっくに変わっちゃったんだから……」
ブレザーの袖を掲げて見せた。