恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
「そうだわ。理人の荷物は和室に置いといたからしばらくはそこを使いなさい?」
笑いすぎて目尻に溜まった涙を拭いながら、思い出しようにお母さんが言った。
「なんで?」
「まだ階段の上り下りは負担でしょ?それに危ないわ」
「そうだな。そうする」
素直に理人が頷く。
「まだ思うように体が動かないこともあるだろう。家族みんなで協力するから、無理はするなよ」
お父さんは理人に言いながら、あたし達にも通達するように目を向けた。
お母さんも翔平も頷いている。
でもあたしは、違和感を覚えた。