恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
「美桜…言いすぎだ…」
まだあたしから手を離さない理人が焦ったように耳元で囁く。
手に込める力がグッと強くなった。
「…なによ…理人も翔平も。……いつまで隠しとくつもりなの?」
悔しくて吐き捨てるように言うと、あたしの前で放心したように突っ立っていた翔平の足が、半歩後ずさりした。
鍵を問い正したときから予感はあったんだろうけど、きっと点と線が結びついたんだ。
だから、それをあたしは口にした。
「…全部、知ったこと」
…お父さんに秘密にする……?
そんなの、あたしが知った時点で無効でしょ。
そう思いながら見上げた先には微かに揺れる瞳が映り、反射的に目を逸らした。