恋結び ~キミのいる世界に生まれて~

え?と大きい目を更に丸くした彩乃ちゃんは、


「あっ、男と女だし、そっかあ」


何に納得したのかは不明だけど、そうまとめると手を振ってこの場を離れて行こうとした。


そんな彩乃ちゃんを「そうそう」と、莉子が引き留める。


「マネージャーの心得、教えてあげる」


「心得?」


「あたし中学の時バスケ部だったのよ」


「そうなんだっ」


親しみの目を莉子に向けた彩乃ちゃんだったけれど、


「まずその香水、運動部のマネやるなら論外ね。汗と混じったら変な匂いになるし。

汗臭いのが気になるなら、制汗スプレーで押さえてね」


そんなことを言う莉子に、あたしはあっけにとられた。

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