恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
「…翔平も……倉庫を見たのか…?」
お父さんが難しい顔をしながら投げた問いに、翔平は観念したように頷いた。
「……いつだ……」
「……半年前…」
「……そうか。そんなに前から…」
……話してくれるのかな。
やり取りを聞きながらそんな風に思う。
机の上に置いた手を組みながら天を仰いだお父さんは、今、一体なにを思っているんだろう。
知ったことを打ち明けず、何も咎めず、笑顔で居続けた翔平を。
瞬きもせずにジッと一点を見つめ、やがて意を決したように口を開いた。