恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
「その代わり、何を聞いても耐える自信はあるか?」
お父さんの目は交互にあたしと翔平に向けられ、ほぼ同時に頷いた。
「翔平は……手紙を……見たんだな?」
開かれていく禁断の扉に、鼓動が加速する。
再び頷いた翔平を確認すると、お父さんは話し出した。
この家に一通の手紙が届いたのは、翔平が3歳になった年。
それはとある刑務所からで、差出人は翔平の産みの親だった。
刑務所に入所して2年、そこでの暮らしにも慣れてきたころだったという。
子供たちの目に触れないようにそっとやり取り続け、それは今でも。
4月には、高校へ入学した翔平の写真も添えた――…