恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
「美桜の産みの親については、あの倉庫には何もないんだ…」
「…うそっ」
騙されない。
理人と翔平のがあって、あたしのだけ無いわけ――
「嘘じゃない」
お父さんは強い声で言いきった。
「それは本当なのよ…」
あたしの手を握り締めながら、お母さんも。
「……っ…そんな……」
名前もなかったように、あたしは本当に孤児なの……?
そう思った途端、恐ろしく淋しさに襲われた。