恋結び ~キミのいる世界に生まれて~

―――…


「おっはよ!」


昇降口で、ポン!と軽快に肩を叩いてきたのは莉子で、


「あ、おはよー」


その顔はいつにも増して明るかった。


「ん?いいことでもあった?」


「ふふふ、分かる~?」


まるで聞いてほしいって言ってるみたいに、嬉しさを全開にする莉子。


「うん。だって嬉しさダダ漏れだもん」


あたしが笑いながら言うと、


「理人が今日映画に行こうってさ」


誰かに聞かれたらまずいのか、耳元でこしょっと打ち明けた。
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