恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
「映画!?」
「そ。入院中のお礼とか言って」
少し気恥ずかしそうに、上履きのつま先をトン…と床の上で跳ねさせた。
そういえば、目元のメイクがいつもより気合入ってる気が……
「でもさ~その映画っていうのが、背筋も凍るゾンビ映画なのっ!」
そう言って、前に手をだら~んと垂らしてゾンビの真似をした。
「アレ?よく考えたら、これって他の女の子とじゃ見れないからつき合えって言われてるだけ!?」
嬉しそうだった顔の頬が膨らみ、手のひらを宙に向けて首を傾げる。
「ドンマイドンマイ!」
映画まで誘っておきながら、それでも素直じゃない理人に理人らしいなぁと心の中で笑う。