恋結び ~キミのいる世界に生まれて~

「…あたし…?」


驚いたけど。


「う、うん…もちろん」


あたしが一緒に行っていいなら喜んで……


「伝えたいことがあるから」


「伝えたい……こと?」


「俺が…愛してる人だ…って」


優しい声に包まれる。



“愛してる”


やっぱり、言葉にしてもらうとこれほど嬉しいことはないよ……




噛みしめるように、じんわりと喜びに浸るあたしに――



「美桜……

いつか俺と……結婚してくれるか?」



「けっ…こん…」



まったく現実味を帯びない言葉。



口にしても、もちろん現実味なんて帯びるわけもなく。


いくら求めあったって、それだけは出来ないって知ってる。


「だ、だって、あたし達……」
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