恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
憎しみの向こう
翌朝、チェックアウトギリギリにホテルを出る。
そのエントランスに、目を疑う光景が……
「理人!?」
「よっ」
よっ……って…
なぜかそこには理人がいて、軽く右手を挙げる仕草にぽかんと口を開けた。
「こんなとこで何してんだよっ!?」
まるでお化けでも見たかのように、目が飛び出そうな翔平。
「何って、見て分かるだろ。迎えにきたんだよ。あんな電話よこして来てよー。なっさけない声出して"俺なんつったらいいか分かんねえよ~"とか――」
「ちょ、おまっ……!」
翔平は慌てて、声色をまねた理人の口を塞ぐ。