恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
「あなたが何を見て勘違いしたのか知らないけど、ママが産んだのはあなただけ。血を分けた子供はあなたしかいないの!」
その押し付けるような声に、あたしの中で何かが弾けた。
「あたしが一人っ子なのは、ママがあなたに罪の意識を感じてるから……。
だからあたしの兄弟を産もうとしなかった…」
「それ……本当…?」
やっと言葉を発したあたしに、葵ちゃんは頷く。
「昔、夜中に偶然パパとママの会話を聞いたの。
"私はもう子供は産めない。置いてきた娘に申し訳ない"って…。
その時、あたしはパパの再婚も、ママの本当の子供じゃないってことも同時に知ったの。
小さい時にそんな残酷なことを聞いたあたしの気持ち分かるっ…!?」