恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
「…ママ、優しくて大好きなのに……本当のママじゃないってことがすごく淋しい…。
今でも時々ふっと上の空であなたを想ってることがある…。あたしは…ずっと顔も知らないあなたを憎んでた。
だから…本当に血の繋がりのあるあなたがママを突き放すのが許せない。悲しませるのが許せないっ…
だったらあたしと変わってよっ!!あなたの血をあたしにちょうだいよっ!!」
そう叫んだ葵ちゃんは、気持ちがもういっぱいになったのか、顔を手で覆い、肩を震わせながらその場にしゃがみこんだ。
………。
体が……粉々になってしまいそうだった。
……あたしはずっと、葵ちゃんにとって憎むべき存在だったんだ……
母と血の繋がりがある。
それが理由で。
あたしは立っているのがやっとで、腰と肩に手を置いてくれてる翔平がいなかったら、地面に落ちていたかもしれない。