恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
「…よく……来てくれたわね…」
昨日あんな風に拒絶したのに。
そんなことなんてなかったように、無理して笑顔を作ろうする姿に胸が打たれた。
「……昨日は……本当にごめんなさい」
「いいの、あなたは何も悪くないの」
母は、あたしが下げた頭よりも、もっと下に顔を落とした。
「いきなり来て…あんな……すごく反省してます…」
胸がいっぱいになったのか。
途端、母の瞳は潤み、唇は震え出す。
「…謝らないで。来てくれただけで…も…十分……からっ…」
最後は声になっていなかった。