恋結び ~キミのいる世界に生まれて~

「…で、どうして美桜だけこうなったかな」


悪い意味じゃないんだけどね…そう付け加えた莉子は、頬杖をついてあたしを眺めた。


「…だって…どうせあたし達は元々違うもん……」


「それを言っちゃあ……美桜…」


小学校、中学校、共に比較的友達の少なかったあたし。


利発で姉御肌の莉子は浅く広く友達を展開していて。


莉子を交えたときだけ、あたしもなんとなく仲間に入れてもらえてたけど、友達だと公言できるのはやっぱり彼女だけで。


「あたしには、莉子がいればそれでいいもん」


人徳があって羨ましいと思う気持ちと、自分もそうなりたいと思う気持ちは別。


あまり人との関わりあいは得意じゃないから。


というか、好きじゃない。


女の子特有の集団行動が苦手で……その辺は、群れることが嫌いな翔平と相通づるものがある。

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