恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
高度10000メートルの告白
―――…
人もまばらな機内。
高度がどんどん上がり、福岡の夜の灯りが次第に小さくなっていく。
…この灯りのどこかに、母の家の灯りもあるのかな……
左側に座った翔平からは小さな寝息が聞こえてきた。
その早さに驚いたけど、昨日から一番疲れたのは翔平かも。
その寝顔に微笑みながら、あたしが借りたブランケットを翔平の胸元に掛けた。
「俺さ……美桜が好きだったんだ…」
右側から突然の告白。
「えっ……」
この狭い、身動きできない機内の中で言う……!?
バカみたいに挙動不審に顔を振ったものの、そこには理人のドアップ。
直視できなくて、パッと正面を向いた。