恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
「まあ、無理にとは言わないけどさ」
そう言って大きく伸びをする莉子に、少し不安を覚えた。
「……迷惑?」
あたしといると、退屈かな。
本当は、大勢の友達とワイワイしたいのかな。
「何を今更。あたしは美桜といるときが一番楽しいの!」
「ありがとうっ!」
「だけどさ、美桜ももう16歳になったんだから………ね?」
“ね”と、力強く肩に置かれたその手には、言葉以上の色んなものが込められている気がして。
ありがとう、莉子。
莉子には昔、散々迷惑を掛けたし沢山励ましてもらった。
あたしがこうして平穏に日々過ごせているのも、莉子がいたからと言っても過言じゃないから。
「…うん」
頷きながら、心の中で何度も感謝する。