恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
放課後。
あたしはバスケ部が練習している体育館まで来ていた。
開放されたドアからは、ドリブルする音やバッシュで床がキュッキュと鳴る音が聞こえてくる。
ドアの向こうを時折横切って見える翔平の姿に、久々に高揚感を覚えた。
久しぶりだな。
翔平のバスケ姿。
毎日見慣れた翔平でも、バスケをしている姿は格別。
中学時代、キャーキャー言いながら頬を染めて翔平を眺める女の子をどれだけ羨ましいと思っていたか。
妹のあたしは、それすら出来なかったから。
一人密かに翔平の姿に胸を焦がしていると。
「何か用?」
後ろから声を掛けられた。