恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
シン、とした教室の中。
最後は叫んだような声が黒板から跳ね返った。
もう、どうでも良かったの。
報われない想いなら、口にしてどこかへ飛ばしてしまいたい。
いっそのことなくなってしまえばいいと。
だけど。
放てば放つだけなくなると思ったのに。
声にすればするほど想いが溢れるなんて……知らなかったよ。
「うっ……」
自分が思っていたより、あたしの心の中は翔平でいっぱいだったことを改めて知る。
あたし、こんなに……好きだったんだ……
小刻みに震える肩は止められなかったけど、漏れそうになる嗚咽だけは殺すように唇をかみしめた。