恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
残ったのは後悔だけ
「本当にいらないのー?」
階下から呼ぶお母さんの声に無視を決め込みベッドの中で丸くなる。
家に帰るや否や、あたしは『お腹が痛い』と言って部屋にこもっていた。
『好きなのっ……』
思わず口走ってしまった禁断の言葉。
バカみたいに連呼して、後のことなんて考えてなかった。
同じ家に住んでるっていうのに、これからどんな顔して過ごせばいいんだろう。
いくら切羽つまってたからって、あれはないよね。
ご飯なんて到底食べられそうにないし、まず翔平と顔を合わせられない。
「…どうしよう」
自分の存在を消すように、布団を頭の上から深く被った。