305号室の男。【完】
あたしの心は、確実に魅かれていた。
「ほら」
大智さんを見れば、汲んできた水を差しだしてくれた。
「お前が掛けてやれよ。知らない俺が…奈緒を奪おうとしてる俺が、掛けたら詠二だって嫌がんだろ?」
笑いながら言う大智さんに、心がズキリと痛んだ。
大智さんは、どういう思いで言ってるんだろうな…、と。
「大智さん…あたし…」
あることを伝えようとした時。
「奈緒ねーねー!!」
「奈緒ちゃん!?」
声する方を見れば、詠二のお姉さんと息子の陸斗くんがいた。
「ほら」
大智さんを見れば、汲んできた水を差しだしてくれた。
「お前が掛けてやれよ。知らない俺が…奈緒を奪おうとしてる俺が、掛けたら詠二だって嫌がんだろ?」
笑いながら言う大智さんに、心がズキリと痛んだ。
大智さんは、どういう思いで言ってるんだろうな…、と。
「大智さん…あたし…」
あることを伝えようとした時。
「奈緒ねーねー!!」
「奈緒ちゃん!?」
声する方を見れば、詠二のお姉さんと息子の陸斗くんがいた。