305号室の男。【完】
「奈緒、こっち来て」
「ちょっ!!」
大智さんは人よりも回復が早いらしく、いつもこうやって油断をした時に、あたしの腕を引っ張り毎度大智さんの胸に飛び込んでしまう。
「なぁ…。キス、しようか?」
耳元で、いつも言う大智さんに。
「し…、しませんっ!!」
胸を押し返すあたし。
いつもなら“そっか、残念”と、おもしろそうに言うくせに今日は。
「詠二のことがあるから…、か?」
大智さんから、笑顔が消えた。
「ち…、がう。詠二は関係ないよ…。ただ…」
首を傾げた大智さんに。
「初めての…、キスは…。病院じゃ嫌、なだけ…」
あたしの想いが伝わってほしいのと、恥ずかしさでいっぱいのあたしは一言、一言区切って伝えた。
「奈緒…、やっぱりお前可愛いな」
グイッと腕を引っ張られた。
「ちょっ!!誰か来るってば!!」
大智さんの胸の中で、暴れるあたし。
「誰も来ねぇって」
「来たらどうするのよ!!」
大智さんの胸の中でもがき、やっとの思いで顔を上げた。
「ちょっ!!」
大智さんは人よりも回復が早いらしく、いつもこうやって油断をした時に、あたしの腕を引っ張り毎度大智さんの胸に飛び込んでしまう。
「なぁ…。キス、しようか?」
耳元で、いつも言う大智さんに。
「し…、しませんっ!!」
胸を押し返すあたし。
いつもなら“そっか、残念”と、おもしろそうに言うくせに今日は。
「詠二のことがあるから…、か?」
大智さんから、笑顔が消えた。
「ち…、がう。詠二は関係ないよ…。ただ…」
首を傾げた大智さんに。
「初めての…、キスは…。病院じゃ嫌、なだけ…」
あたしの想いが伝わってほしいのと、恥ずかしさでいっぱいのあたしは一言、一言区切って伝えた。
「奈緒…、やっぱりお前可愛いな」
グイッと腕を引っ張られた。
「ちょっ!!誰か来るってば!!」
大智さんの胸の中で、暴れるあたし。
「誰も来ねぇって」
「来たらどうするのよ!!」
大智さんの胸の中でもがき、やっとの思いで顔を上げた。