305号室の男。【完】
「ここで初めて、奈緒を見かけたんだよなぁ」
そう。
ここでブランコに座って泣いてるあたしを、見かけたのが初めてだったらしい。
「泣いてたのは、詠二を思い出して…、だったな」
大智さんの言葉にコクンと頷くと。
「奈緒がここに決めたのは、詠二の思いを断ち切る為…、か?」
「違う」
すぐに、首を横に振った。
「大智さんが初めてここで、あたしを見かけて今、こうして一緒にいる。だからここがいいなって思ったの」
大智さんとあたしが初めて出会った場所だもん、そう言葉にすると。
「奈緒…」
大智さんの右手が、頬に触れた。
あたしはそれと同時に目を閉じた。
「愛してる」
その言葉のすぐ後に落ちてきた触れるだけの、キス。
いつもは子供がたくさん遊んでるこの公園。
今日は天気が悪いせいなのか、誰もいなかった。
何度も、何度も、角度を変えてキスが落ちてくる。
スルリと入ってきた大智さんの舌に一瞬ビクリとし、離れようとしたが右手で後頭部を押さえられ逃ることができなかった。
そう。
ここでブランコに座って泣いてるあたしを、見かけたのが初めてだったらしい。
「泣いてたのは、詠二を思い出して…、だったな」
大智さんの言葉にコクンと頷くと。
「奈緒がここに決めたのは、詠二の思いを断ち切る為…、か?」
「違う」
すぐに、首を横に振った。
「大智さんが初めてここで、あたしを見かけて今、こうして一緒にいる。だからここがいいなって思ったの」
大智さんとあたしが初めて出会った場所だもん、そう言葉にすると。
「奈緒…」
大智さんの右手が、頬に触れた。
あたしはそれと同時に目を閉じた。
「愛してる」
その言葉のすぐ後に落ちてきた触れるだけの、キス。
いつもは子供がたくさん遊んでるこの公園。
今日は天気が悪いせいなのか、誰もいなかった。
何度も、何度も、角度を変えてキスが落ちてくる。
スルリと入ってきた大智さんの舌に一瞬ビクリとし、離れようとしたが右手で後頭部を押さえられ逃ることができなかった。