305号室の男。【完】
「奈緒…、奈緒…」



あたしの名前を呼びながら。



額に



瞼に



鼻に



口に



キスが落ちてくる。



「耳、弱いんだったな」



「…いゃぁっ……」



あたしの耳にキスを落とすと、舌が中に入り卑猥な音が静かな部屋に響いた。



「これくらいで、そんな声出すなって」



「だって…!!」



いつだって大智さんは、余裕だ。
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