305号室の男。【完】
きっと詠二を思い出して泣いてしまうかもしれない。
それでもこの人は受け止めてくれるだろうか。
でも、あたしは前に進まなければいけない。
いつまでも過去のことを悲しんでいても始まらない。
だって、詠二はもういないんだから…。
泣いても詠二は、あたしの前には現れない。
そう、永遠に…。
奈緒は大智の目を見て、ゆっくりと話しだした。
震える声で、ゆっくりと…。
そんな奈緒の手を大智はキュッと握って、ただ静かに聞いてくれた。
それでもこの人は受け止めてくれるだろうか。
でも、あたしは前に進まなければいけない。
いつまでも過去のことを悲しんでいても始まらない。
だって、詠二はもういないんだから…。
泣いても詠二は、あたしの前には現れない。
そう、永遠に…。
奈緒は大智の目を見て、ゆっくりと話しだした。
震える声で、ゆっくりと…。
そんな奈緒の手を大智はキュッと握って、ただ静かに聞いてくれた。